青空文庫

「漁村」の感想

漁村

ぎょそん

初出:「若草」1935(昭和10)年3月

書き出し

波がものを言ふやうになつてから誰も姿を見せない砂浜に抵抗する事を知らない貝殻のやうな女が私生児を抱いて立つてゐたそれは——生きる為には、生きる為には泥蟹をまで食べなければならぬ悲しい漁村の一つの姿である夢を見ることのゆるされない漁村の娘は今日泥蟹の殻ばかりを捨てに行くのだつた底本:「増補森川義信詩集」国文社1991(平成3)年1月10日初版発行初出:「若草」1935(昭和10)年3月入力:坂本真一

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