青空文庫

「サガレンの浮浪者」の感想

サガレンの浮浪者

サガレンのふろうしゃ

初出:「詩人」1936(昭和11)年4月号

書き出し

ただようてくる温ったかい三平汁の香堪え兼ねて牧草の束に顔を埋めるしのびよる背筋の冷さ浅い眠りの夢は破れるああ!一杯の飯を食いたい赤い毛布を巻きつけたむくんだ足寒気は骨の中まで突き通す伸び放題の鼻ひげに呼吸は霜をたくわえ鼻孔はきんきんとひからびる破目板の隙間から躍り込む風小屋に舞う雪神楽やがて粉雪はうず高く層を重ねる辛うじて乾草の小屋に宿り打ち震え闇の中に聞く猛けるサガレンの夜の吹雪凍れる大地の呻き

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