青空文庫

「餅の歌」の感想

餅の歌

もちのうた

――全農の林延造氏に――

――ぜんのうのはやしえんぞうしに――

槙村4

書き出し

餅とは何と鋤き返された幼い南の郊外の野の思い出のように甘いものだろう!高岡のひとりぼっちの叩き廻っても後の沼地一ぱいがらんどうな響きしかはね返してこぬ豚箱の中で僕はしみじみと生のうどんの皮をひっぺかしながらそう思ったそれは青い蚊帖が雨上りの甘酸っぱい臭いをたてながら差入れの風鈴と一しよにゆさ/\揺れていた時だった!背の低い長髪のいつも怒ったような顔をしたそれでいて人なつこい三十を越えたばかりの生粋

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