青空文庫

「老いたるえびのうた」の感想

老いたるえびのうた

おいたるえびのうた

書き出し

けふはえびのように悲しい角やらひげやらとげやら一杯生やしてゐるがどれが悲しがつてゐるのか判らない。ひげにたづねて見ればおれではないといふ。尖つたとげに聞いて見たらわしでもないといふ。それでは一体誰が悲しがつてゐるのか誰に聞いてみてもさつぱり判らない。生きてたたみを這うてゐるえせえび一疋。からだじうが悲しいのだ。底本:「蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ」講談社文芸文庫、講談社1993(平成5

2020/09/28

青村壱さんの感想

悲しみがじわじわと滲み出る。晩年の物悲しさ、置いていかれたという無意識の自覚。

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