青空文庫

「観相の秋」の感想

観相の秋

かんそうのあき

初出:ある人の庭「表現 2巻1号」1922(大正11)年1月1日

北原白秋56

書き出し

序虚と実とは裏と表である。実にして虚、虚にして実なるが故に尊い。何れは先づ実相のまことを観、観て、深く到り得て、更に高く離れむ事をわたくしは願つてゐる。実相に新旧のけぢめは無い。常に正しく新らしいからである。これを旧しとなすは観て馴れ過ぎたからである。一時の流行は時とともに滅びる。而も人はただ新奇を奔り求める事に於てのみ、その詩境を進め得るものと思つてゐる。然し何ぞ知らむ。此の東に於てひたすら彼の

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