青空文庫

「童話」の感想

童話

どうわ

初出:「世紀 第1巻第3号」1924(大正13)年12月刊

室生犀星30

書き出し

一「お姉さま、——」小さい弟は何時の間にか川べりの石段の上に腰をかけ、目高をすくっている姉に声をかけた。「お前、いつの間に来たの、こちらへ来ると危ないわよ、わたしすぐ足をふいて行くから。」姉は慌てて今まで流れにひたしていた足をふいて、拭いていながらも自分と同じい顔をしている弟を見て、そして四辺に誰もいないのを見定めると、石の段々をあがった。道路から二段目のほかほかした日あたりに、足を鞦韆のように下

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