青空文庫

「しゃりこうべ」の感想

しゃりこうべ

しゃりこうべ

初出:「中央公論」1923(大正12)年6月号

室生犀星10

書き出し

電燈の下にいつでも座っているものは誰だろう、——いつだって、どういう時だって、まじまじと瞬きもしないでそれの光を眺めているか、もしくはその光を肩から腰へかけて受けているかして、そうして何時も眼に触れてくるものは、一たい何処の人間だろう、——かれはどういう時でも何か用事ありげな容子で動いているが、しかしその用事がなくなると凝然と座ってそして物を縫うとか、あるいは口をうごかしているとか、または指を折っ

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