青空文庫

「蛾」の感想

室生犀星23

書き出し

一お川師堀武三郎の留守宅では、ちょうど四十九日の法事の読経も終って、湯葉や精進刺身のさかなで、もう坊さんが帰ってから小一時間も経ってからのことであった。表の潜り戸が軋むので、女房が立って出て見ると、そこへ、いま法事をあげたばかりの武三郎が、くぐり戸から四十九日前に出たきりの川装束で、ひょっこり這入って来た。心持のせいか髪も濡れ、顔も蒼ざめていた。おあいは、吃驚しすぎて、声も出ないで凝然と見戍ってい

2021/05/18

0036fe27d072さんの感想

題名は「蛾」であるがキーワードは櫛である。櫛を廻っての町人の人妻と川師の男とその妻の話。その人妻は妖怪でその男の家を自分の無くした櫛を求めて毎日訪れるそして見つけ男を沼に引き込む、そしてその妻さえも…。

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