おもかげ
ハーン先生の一周忌に
ハーンせんせいのいっしゅうきに
初出:「家庭新聞」1905(明治38)年9月
書き出し
一独り、道を歩きながら、考えるともなく寂しい景色が目の前に浮んで来て胸に痛みを覚えるのが常である。秋の夕暮の杜の景色や、冬枯野辺の景色や、なんでも沈鬱な景色が幻のように見えるかと思うと遽ち消えてしまう。消えてしまった後は、いつも惘として考えるのである。なんでこんな景色が目に見えるのであろう。誰のことを自分は思っているのか?気に留めて考えれば空漠として、悲しくも、喜ばしくもないが、静かに落付ていると…
19双之川喜41さんの感想
八雲(ハーン)は 未明の恩師であるとは知らなかった。 追憶する文章は 多くの場合 エピソードを 重ねていくのが 多いのであるけど 未明は 感性や 情緒を 丁寧に 傳えているのに 惹かれた。