しょうじょがこなかったら
書き出し
寒い、暗い、晩であります。風の音が、さびしく聞かれました。ちょうど、真夜中ごろでありましょう。コロ、コロ、といって、あちらの往来をすぎる車の音が、太郎のまくらもとに聞こえてきました。もう、だいぶねあきていましたので、彼はふと目をあけて、その車の音に、耳をすましたのでした。「いま時分、あんな車を引いてゆくのは、どんな人間だろう?」こう、彼は考えました。すると、それは怖ろしい人のようにも思われました。…
65a3ff5eb87dさんの感想
自分が恐れていたものが尊く優しい人の営みだと知り、恥じることのできる太郎さんもまた優しい子だと思いました。人は人のことを知ることで大人になっていくのだなとしみじみ感じ入りました。