青空文庫

「雪の日」の感想

雪の日

ゆきのひ

初出:「趣味」1910(明治43)年3月

近松秋江22

書き出し

あまり暖いので、翌日は雨かと思って寝たが、朝になってみると、珍らしくも一面の銀世界である。鵞鳥の羽毛を千切って落すかと思うようなのが静かに音をも立てず落ちている。私はこういう日には心がいつになく落着く。そうして勤めのない者も仕合せだなと思うことがある。私たちは門を閉めて今日は打寛いで、置炬燵に差向かった。そうしてこういう話をした。「お前は何かね、私とこうしていっしょになる前に、本当に自分の方から思

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