青空文庫

「手紙 」の感想

手紙

てがみ

一八九三年七月二二日付 チェンバレン 宛

せんはっぴゃくきゅうじゅうさんねんしちがつにじゅうににちづけ チェンバレン あて

小泉八雲15

書き出し

拝啓先に長崎からお手紙を差し上げると申しておりましたが、それはかなわない事になりました。というのは、実際、私は長崎から逃げ帰って来たからです——何があったか、そのいくつかをお話しします。七月二〇日の早朝、私は、一人、熊本を出発し、百貫経由で長崎へ向かうつもりでした。熊本から百貫までは人力車で一時間半あまりの距離でした。百貫は水田の中の、くすんだ小さな村です。土地の人たちは淳朴で善良です。そこで、漢

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