青空文庫

「〔同腹異腹〕」の感想

〔同腹異腹〕

どうふくいふく

初出:「十三人 第二巻第六号(六月号)」十三人社、1920(大正9)年6月1日

書き出し

〔同腹異腹〕牧野信一僅々一枚か二枚の六号どうしても書けない、書けないといふ事を誇張するわけではない。書く事はいくらでもあるやうで、憤懣や希望や喜悦や悲哀は少なからず持つてゐるやうだが、それが事実余りに強く余りに見苦しいもののやうな感じさへして、書き度くないと思ふ。他人のそでにすがつても訴へ度い悲しみや……は感じてゐるけれども、「いざ云はう」となると「云つたつて仕様がない」と思つてしまふ、とつひ悲し

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