へんしゅうざっき
初出:「金と銀 第一号」金と銀社、1920(大正9)年4月5日
書き出し
〔編輯雑記〕牧野信一△銀座通りで夜更迄話した、「雑誌をやらう」と、それでも足りないで家へ帰つて夜明しなどした。五年も前の話である、鈴木と二人で、春の夜だつた。感傷的な事を云ふやうだが、今度「金と銀」が四月に出る、沈丁花の香りを窓にしながら私はこれを書く、つまらない因念だが、それも自分の悦びの一つだ。△あの頃なら自分は全部を投げて、雑誌の仕事に従事する事が出来た、今は、この他になさなければならない沢…