青空文庫

「愛は不思議なもの」の感想

愛は不思議なもの

あいはふしぎなもの

小川未明19

書き出し

生活に差別のあるのは、ひとり、幾万の人間の住んでいる都会ばかりでありません。田舎においても同じであります。その村は、平和な村でありましたけれど、そこに住んでいる人々は、みんな幸福な身の上というわけではありませんでした。おしずは、小さい時分に、父母に死に別れて、叔母の家で育てられた孤児でありました。そして、十七、八のころ、村のある家に奉公したのであります。その家の人たちは、情けある人々でした。「おし

2022/08/15

bdaec355c58dさんの感想

幼くして家族を失った彼女にとって、片時も離れずそばにいた彼は、実の弟のような存在だったと思います。そんな彼女は死してなお、彼の身を常に案じているのでしょうね。池の辺でマンドリンの音がするのも、彼を此方へ呼んでいる訳でなく、笑顔を見せて欲しいだけなのでしょう。大切な人が自分を想い、顔に影が落ちるのは、決して嬉しくありませんから。そして彼もまた、命を賭してまで自分の身を案じてくれていた彼女の存在を、一生抱えて生きていくのでしょう。自身の幼少期の彫刻と共に、彼女の姿が見えたのも、彼は思い出せずにいるだけで、きっと心の奥底に幸せだったひとときが、大切に大切に仕舞われているのです。

2019/07/28

cd55a413069cさんの感想

私の幼年時代におしずみたいな人はいなかったのに、まるで似たような追憶があったように懐かしく悲しい気持ちになる。

2019/05/06

d3eda380a07aさんの感想

この人の作品は昔から何度読んでも胸がいっぱになり涙してしまうものがありますね。

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