くもきりえんまちょう
初出:「週刊朝日 新春特別号」1933(昭和8)年
書き出し
人生・間の山なるべく、縁起の吉い日にしようぜ。御幣をかつぐ訳じゃないが、物は縁起ということもあるし、お互い様に明日の首の座は分らない。こちとら、白浪渡世——いうにゃ及ぶ。さて、その日は?そうよ。——初日の出の元日——あたりはどうだ。なるほど、そいつアいい。元日より縁起の吉い日はねえ理窟だ。——次には、場所だが。その場所は、伊勢の間の山と決める。そして、年暮立ちに、各※が、土地を飛び、正月の抜け詣り…