青空文庫

「増長天王」の感想

増長天王

ぞうちょうてんのう

初出:「サンデー毎日 春季特別号」1927(昭和2)年4月1日

吉川英治37

書き出し

山目付こんな奥深い峡谷は、町から思うと寒い筈だが、案外冷たい風もなく、南勾配を選って山歩きをしていると草萌頃のむしむしとする地息に、毛の根が痒くなる程な汗を覚える。天明二年の春さきである。木の芽の色、玲瓏な空、もえる陽炎、まことに春らしい山村の春。肥前鍋島家の役人、山目付の鈴木杢之進という色の黒い侍、手に寒竹の杖をもち、日当たりのいい灌木の傾斜を、ノソリ、ガサリ、と歩いている。「どうも、さっぱり面

2016/10/24

dd97610e728bさんの感想

像は、あったのか。想像力がすばらしい。

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