しほんたいへいき
12 湊川帖
12 みなとがわじょう
書き出し
面まだ葉ざくらは初々しい。竹窓の内までが、あら壁もむしろも人も、その静かな、さみどりに染まっている。「…………」正成はさっきから赤鶴の仕事にしげしげと見とれていた。天野沢の金剛寺前に住んでいる仮面打ちの老人で——越前の遠くから移住してきた者だと、この道にくわしい卯木夫婦から聞いている。はじめにここへ彼を案内したのも、卯木の良人の治郎左衛門元成だった。それからは、まいど金剛寺へ来るごとに、「赤鶴、す…
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面白いです
569d068ac408さんの感想