青空文庫

「落葉」の感想

落葉

おちば

上田7

書き出し

樹々に落葉のある如く、月日にも落葉がある。無邊のあなたから吹いて來る音無の風は歳月の樹々を震はせて、黄ばみ戰く月日をば順々に落してゆく。落ちてどこへ行くのだらう。黄ばみ戰く木の葉はどこへ行くのだらう。言ふまでも無く、それは自然が歳々の復活を營むあの大實驗室へ行くのだ。それがまた新に青くなつて、一樣になつて、歸り來る時、葉の裁方にまで變が無い、白楊の葉は心の臟、橡の樹のは掌、篠懸の樹のは三叉の鋒の形

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