青空文庫

「黒檜」の感想

黒檜

くろひ

初出:「黒檜」八雲書林、1940(昭和15)年8月13日

北原白秋68

書き出し

序黒檜の沈静なる、花塵をさまりて或は識るを得べきか。薄明二年有半、我がこの境涯に住して、僅かにこの風懐を遣る。もとより病苦と闘つて敢て之に克たむとするにもあらず、幽暗を恃みて亦之を世に愬へむとにもあらず、ただ煙霞余情の裡、平生の和敬ひとへに我と我が好める道に終始したるのみ。「黒檜」一巻、秘して寧ろ密かに我といつくしむべく、梓に上して些か我が真実の謬られむことをおそる。他に言ふところなし。庚辰孟夏白

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