ぶんようでん
書き出し
乳色をしたグローブから漏れる朧夜の月の光を盛ったような電燈の光、その柔かな光に輪廓のはっきりした※な小さな顔をだした女給のお葉は、客の前の白い銚子を執って、にっと笑いながらぽっちり残っている盃に注いだ。「どうだね」客は五十前後の顔の赧黒く脂やけにやけた、金縁の眼鏡をかけた男で、ずんぐりした体を被うた焦茶のマントの下から地味な縦縞の大島のそろいを覗かしていた。客は野本天風と云う名で知られている旧い新…
652a80165a76さんの感想
お葉があやかしだったのか、天風の気が触れてしまったのか果してどちらなのでしょう?