青空文庫

「姉弟と新聞配達」の感想

姉弟と新聞配達

していとしんぶんはいたつ

初出:「新潮」1923(大正12)年1月

犬養19

書き出し

一早春の夕暮だつた。郊外の小ぢんまりした路角の家の茶の間で、赤ん坊はうつら/\眠かゝつてゐる。二十一になる細君は、ソツと用心深く取上げて、静かな二階に眠かさうと、階子段を上つて行つた。いつも細君は、この夕方の寝かしつける役目を、実家から女中払底の手助けに来てゐるAさんといふ若い看護婦さんに頼んで、自分は料理方にまはるのだが、今夜はAさんに、何か国に宛てて書くべき急な手紙の用事のあることを見てとつた

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