青空文庫

「時差のないふたつの島」の感想

時差のないふたつの島

じさのないふたつのしま

片岡義男186

書き出し

1眠りから覚めて目を開くまでの時間は、ごく短い。二秒ないだろう。目を覚ましたぼくは、自分が寝ている場所の香りにあらためて気づき、いつもの自分の場所ではないところに自分が眠っていたことを認識しなおした。ぼくは、目を開いた。天井が見えた。見なれない天井のたたずまいに、部屋の香りはよく似合っていた。香りというよりも、匂いだろうか。ベッドに違和感があった。なれた自分のベッドではなかった。あおむけになってい

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