青空文庫

「買出し」の感想

買出し

かいだし

永井荷風14

書き出し

船橋と野田との間を往復してゐる総武鉄道の支線電車は、米や薩摩芋の買出しをする人より外にはあまり乗るものがないので、誰言ふとなく買出電車と呼ばれてゐる。車は大抵二三輛つながれてゐるが、窓には一枚の硝子もなく出入口の戸には古板が打付けてあるばかりなので、朽廃した貨車のやうにも見られる。板張の腰掛もあたり前の身なりをしてゐては腰のかけやうもないほど壊れたり汚れたりしてゐる。一日にわづか三四回。昼の中しか

2017/12/15

4de20db4bbc7さんの感想

そうでもしなければ生きていけない、より良いものは得られない、という時代そのもののような気がした。 個人的に最後のシーンは「羅生門」を想起させられた。

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