たにまのしじゅうから
初出:「赤い鳥 鈴木三重吉追悼号」1936(昭和11)年10月
書き出し
春のころ、一度この谷間を訪れたことのあるしじゅうからは、やがて涼風のたとうとする今日、谷川の岸にあった同じ石の上に降りて、なつかしそうに、あたりの景色をながめていたのであります。小鳥たちにとって、この二、三か月の間は、かなり長い間のことでありました。そのときは、やっと雪の消えたばかりで、見るものがすべて希望に燃え立っていきいきとしていました。しじゅうからは、葉のしげったかしの木を見つけて、巣をかけ…
19双之川喜41さんの感想
小鳥が 谷間の木々の 成長を 願い 飛び去るという 話である。 「あります」調が 急変して「ました」調となるので 驚くかもしれない。 擬人法は この場合 趣をそぐようにも 思えた。