青空文庫

「老境なるかな」の感想

老境なるかな

ろうきょうなるかな

吉井5

書き出し

私がはじめて歌を作つたのは中学の二年の時だと思ふから、顧みれば私の歌歴も、もうすでに五十年を越してしまつてゐる。その最初の歌は、維新史研究家だつた勝山孫弥といふ人の出してゐた「海国少年」といふ雑誌の短歌欄に投稿したもので「出雲なる簸の川上はそのむかし八頭の大蛇住みけるところ」といふのであるが、これがその時分まだ川柳などを作らず、万葉調の歌人として知られてゐた坂井久良岐の選で天位になつた。この事実が

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