じゆうのしんずい
初出:「実業之日本 二二巻五号」実業之日本社、1919(大正8)年3月1日
書き出し
内部の矩と外部の矩論語にある「己の欲するところに従えども矩を踰えず」の一句こそ実に自由の定義を能く述べて尽したものであると前号に説明し、然らば矩とは何なるかと反問し、これには大略内部と外部との二つに分つことが出来ようと述べた。外部の矩とは外部より来る要求、圧迫、強制等で、風俗習慣も一国の法律もその類であるが、しかしこの意味に於ける外部の矩も自分が心から心服して何の不平もなく甘んじてそれに従い、ある…