みみずくぞくけん
初出:「東京朝日新聞 第一六二五六号~第一六二六一号」東京朝日新聞社、1931(昭和6)年8月2日~7日
書き出し
苗賣の聲は、なつかしい。……垣の卯の花、さみだれの、ふる屋の軒におとづれて、朝顏の苗や、夕顏の苗……またうたに、……田舍づくりの、かご花活に、づツぷりぬれし水色の、たつたを活けし樂しさは、心の憂さもどこへやら……小うたの寄せ本で讀んだだけでも一寸意氣だ、どうして惡くない。が、四疊半でも六疊でも、琵琶棚つきの廣間でも、そこは仁體相應として、これに調子がついて、別嬪の聲で聞かうとすると、三味線の損料だ…
19双之川喜41さんの感想
行商人の売り声や 野鳥のさえずりを 丁寧に採集して 描いている。 柳田とあるは 柳田邦男のことか。 小説というよりは むしろ随筆という感じを受けるけど 味わいのある 筆の運びでは あると思った。