青空文庫

「春着」の感想

春着

はるぎ

鏡花49

書き出し

あら玉の春着きつれて醉ひつれて少年行と前がきがあつたと思ふ……こゝに拜借をしたのは、紅葉先生の俳句である。處が、その着つれてとある春着がおなじく先生の通帳を拜借によつて出來たのだから妙で、そこが話である。さきに秋冷相催し、次第に朝夕の寒さと成り、やがて暮が近づくと、横寺町の二階に日が當つて、座敷の明い、大火鉢の暖い、鐵瓶の湯の沸つた時を見計らつて、お弟子たちが順々、かく言

2025/07/21

艚埜臚羇1941さんの感想

  横寺町の 紅葉先生の 内弟子は 何人か おり 彼らは 質素な 生活を 余儀なく された。襟垢 膝抜けの 布子連が 畏まって先生の 前に まかり出て 春着を むしん した。先生は 弟子達を 引き連れて 呉服屋に 赴き 帳面買いを する。後に 世に出て 名を成した 弟子も おり 葉門 なんとかと 呼ばれ そこそこ 勢力を 誇った という。いまでは 「てにをはの 道」を 住み込みで 習う など 考えられないと 感じた。

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