にんじん
書き出し
京師の張廣號は、人參の大問屋で、聞えた老鋪。銀座で一番、と云ふづツしりしたものである。一日の事で、十八九の一人の少年、馬に打乘り、荷鞍に着けた皮袋に、銀貨をざく/\と鳴して來て、店頭へ翻然と降り、さて人參を買はうと云ふ。馬に銀袋を積んで來たくらゐ、人參の價値は思ふべしである。が、一寸素人には相場が分らぬ。ひそかに心覺に因ると、我朝にても以前から、孝行な娘…
19双之川喜41さんの感想
高価な 薬用人参の いわば 籠抜(かごぬ)け詐欺のようなことが 書いてある。 中国の 賑わいに満ちた 市場の 喧騒(けんそう)が 伝わってくるような感じを受けた。