青空文庫

「十六夜」の感想

十六夜

いざよい

鏡花39

書き出し

一きのふは仲秋十五夜で、無事平安な例年にもめづらしい、一天澄渡つた明月であつた。その前夜のあの暴風雨をわすれたやうに、朝から晴れ/″\とした、お天氣模樣で、辻へ立つて日を禮したほどである。おそろしき大地震、大火の爲に、大都は半、阿鼻焦土となんぬ。お月見でもあるまいが、背戸の露草は青く冴えて露にさく。……廂破れ、軒漏るにつけても、光りは身に沁む月影のなつかしさは、せめて薄ばかりも供へようと、大通りの

2015/10/20

R・Graceさんの感想

震災の頃をまざまざと月の下に照らし出す。心意気に感じます。

1 / 0