青空文庫

「窓」の感想

まど

書き出し

女は、窓に向いて立っていた。身じろぎさえしない。頬には涙のあと。「……ね。……思い返して呉れませんか。……もう一度。……。ね」男は、荷造りの手をまた止めた。女はうしろを向かなかった。女の帯の結び目を見上げていた男の眼から、大粒な涙が滴った。かすかな歔欷。女はまだうしろを向かなかった。女の涙の痕へまた新らしい涙の雫が重なった。男は立って行って、女の傍へ寄った。この十日程のなやみで、げっそり痩せた女の

2022/04/17

19双之川喜41さんの感想

 後には退けない 別れ話の終盤に 女は 以前 窓から見た 火事を思い出す。 消えかかった夜の火から 爆音と共に かんざしのような 鋭い火線が 立ち上る。 燃え尽かせるべき恋情に なおくすぶる想い。 巧みな 描写と感じた。

2021/04/11

384ca3783f73さんの感想

ある伝記によると、作者も道ならぬ恋をしたらしいが、それをもとにして書いたのだろうか。

2016/08/12

bc723d4fa934さんの感想

人力車で去るっていうのが絵になりますね タクシーだとこうはいかない

2016/03/14

芦屋のまーちゃんさんの感想

この男が、その女に執着する感覚がわからない。浮気をしながらそれでもその女に固執する理由は何なのか?それがプレイボウイの本質なのか?それ程その女を愛するのなら何故他の女に浮気をするのか?女の目線から見た作品だと思う。女は一途に男を愛すが、男は愛する女の他にも性的欲望のみで容易く他の女と交わりうる。

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