青空文庫

「せいばい」の感想

せいばい

せいばい

初出:「微視の史学」理論社、1953(昭和28)年4月

服部之総10

書き出し

徳川時代の司法権は各藩がもっている。——したがって刑法にも、藩ごとの掟がある。だが、死刑だけは、幕府のゆるしがないと執行できなかった。その死刑にも階級があった。会津藩の掟でみると、いちばん軽い死刑は「牢内打首」とよばれた。牢内の刑場で首を斬る。庶民には見せないのである。エリザベス朝のイギリスでも、ロンドン塔の中庭で首を斬られるのは、死罪にたいする軽い扱いであった。ロンドン塔の死罪で一ばん軽いのは絞

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