青空文庫

「アンドレ・ジイド管見」の感想

アンドレ・ジイド管見

アンドレ・ジイドかんけん

初出:「ラ・フゥルミ 3号」1934(昭和9)年5月10日

書き出し

ジイドの芸術活動の始つたのは、凡そかのデカダン一派の淋れる頃からだと云ふことが出来る。思ふにデカダン芸術が好調子であつた時といふのは、猶実生活人の側に健康の或物が可なりに存し、それが崩解しかけてゐたが、崩解してしまつてはゐなかつた時であるやうに思はれる。一体芸術家が、実生活人に比べて永遠追慕の情の強い所に成立つのであつてみれば、実生活の空気に反撥的である場合にのみ芸術家の生活は弾力的であるのである

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