りょうりとしょっき
初出:「星岡」1931(昭和6)年
書き出し
近来、食べ物のことがいろいろの方面から注意され、食べ物に関する論議がさかんになってきた。殊に栄養学というような方面から、食べ物の配合や量のことをやかましくいうことが流行った。けれども、子供や病人ならともかく、自分の意志で、自分の好きなものを食うことのできる一般人にとっては、そういう論議はいくらやっても、なんの役にもたたない。だから栄養料理という言葉が、まずい料理の代名詞のように使われたのも、むしろ…