青空文庫

「すべての芽を培え」の感想

すべての芽を培え

すべてのめをつちかえ

初出:「中央公論」1917(大正6)年4月

和辻哲郎13

書き出し

青春を通り越したというのでしきりに残り惜しく感じている人があるようですが、私はまだその残り惜しさをしみじみ感ずるほどな余裕をもっていません。それよりも、やっと自分がハッキリしかかって来たということで全心が沸き立っているのです。時々自分の青春を振り返ってみる時にはそこに自分の歩かなければならなかった道と、いかにも「うかうかしていた」自分の姿とを認めるきりで、とても過ぎ去った歓楽を追慕するような心持ち

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