青空文庫

「少年」の感想

少年

しょうねん

初出:「文學界」1951(昭和26)年11、12月号

神西112

書き出し

プロロオグ私はよく夢をみる。楽しい夢よりも、苦しい——胸ぐるしい夢の方がずつと多い。さめたあとで、ほとんど全経過をたどり直せるほど、はつきり覚えてゐる夢もある。さめた直後は、思ひ出す手がかりすら見失はれて、それなり忘れてゐたのが、かなり後になつて何のきつかけもなしに、ぱつと記憶に照らし出される夢もある。後者には概して楽しい夢が多いやうだ。同じ主題がしばしば繰り返されるのは、苦しい夢の場合に多い。そ

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