時勢と道徳観念
じせいとどうとくかんねん
大賊小賊・名誉の悪党
だいぞくしょうぞく・めいよのあくとう
初出:「民族と歴史 第二巻第四号」1919(大正8)年10月号
喜田貞吉約4分
書き出し
虎関の作と云い、玄慧の作とも言われる異制庭訓往来に、賊に大小あり、小罪既に大罪よりも軽し。小賊何ぞ大賊に等しからんや。窃盗・強盗は山賊・海賊の比にあらず。山賊・海賊は他領押両(領)の大賊党に比せず。又位を諍ひ国を奪ふの大盗よりも軽し。然らば末代は皆賊世なり。たゞ我一人のみにあらざるなり。夫れ殷湯の夏を奪ひ、周武の紂を伐つ、何ぞ尭舜揖譲の政に同じからん。全く聖主賢君の風にあらず。とある。甚だ以て穏か…
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