青空文庫

「日和下駄」の感想

日和下駄

ひよりげた

一名 東京散策記

いちめい とうきょうさんさくき

永井荷風168

書き出し

序東京市中散歩の記事を集めて『日和下駄』と題す。そのいはれ本文のはじめに述べ置きたれば改めてここには言はず。『日和下駄』は大正三年夏のはじめころよりおよそ一歳あまり、月々雑誌『三田文学』に連載したりしを、この度米刃堂主人のもとめにより改竄して一巻とはなせしなり。ここにかく起稿の年月を明にしたるはこの書板成りて世に出づる頃には、篇中記する所の市内の勝景にして、既に破壊せられて跡方もなきところ尠からざ

2024/01/28

鍋焼きうどんさんの感想

美文で綴るカテゴリー別東京市ガイドブック。東京が江戸の風情を僅かに留めていた頃の姿。

2022/02/14

cdd6f53e9284さんの感想

荷風は、蝙蝠傘を片手に日和下駄にて東京市中を徘徊した、散策ではない、まさに徘徊こそがふさわしい。 その序にいわく、「昨日の淵今日の瀬となる夢の世の形見を伝えて、拙きこの小著、幸に後の日のかたり草の種ともならばなれかし」 今日にあって明日にはその姿を激変させる時の移ろいの暴力に晒され失われゆく江戸を、せめていま、その目に留めておくために、荷風は東京市中を徘徊した、これはその永井荷風の「失われた時を求めて」である。 江戸の文化を破壊しなければ築き上げ得ない近代日本の薄っぺらな「近代文化」を静かに苦笑しながら、永井荷風は東京市中にかすかに残る「江戸の面影」を求めて歩いたこれは郷愁の記録である。 かたり草の種ともならばなれかし

2019/10/30

19双之川喜41さんの感想

 散歩の お供には 江戸絵図が よいと言う。 測量部の図は 等高線が げじげじのようで 趣がないと言う。 その頃から すでに 東京は 変化が激しくて 木橋が 鉄橋に変わるようなことは よくあったように 感じた。

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