青空文庫

「寺じまの記」の感想

寺じまの記

てらじまのき

永井荷風19

書き出し

雷門といっても門はない。門は慶応元年に焼けたなり建てられないのだという。門のない門の前を、吾妻橋の方へ少し行くと、左側の路端に乗合自動車の駐る知らせの棒が立っている。浅草郵便局の前で、細い横町への曲角で、人の込合う中でもその最も烈しく込合うところである。ここに亀戸、押上、玉の井、堀切、鐘ヶ淵、四木から新宿、金町などへ行く乗合自動車が駐る。暫く立って見ていると、玉の井へ行く車には二種あるらしい。一は

2022/02/16

阿波のケンさん36さんの感想

下町をこよなく愛する荷風の下町ブラリ日記。

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