ふたばていしめい
――遺稿を整理して――
――いこうをせいりして――
初出:「太陽」1913(大正2)年9月
書き出し
二葉亭四迷の全集が完結してその追悼会が故人の友人に由て開かれたについて、全集編纂者の一人としてその遺編を整理した我らは今更に感慨の念に堪えない。二葉亭が一生自ら「文人に非ず」と称したについてはその内容の意味は種々あろうが、要するに、「文学には常に必ず多少の遊戯分子を伴うゆえに文学ではドウシテも死身になれない」と或る席上で故人自ら明言したのがその有力なる理由の一つであろう。が、文学には果して常に必ず…