びみょうさいびみょう
初出:「きのふけふ」博文館、1916(大正5)年3月
書き出し
一欧化熱の早産児丁度この欧化主義の最絶頂に達して、一も西洋、二も西洋と、上下有頂天となって西欧文化を高調した時、この潮流に棹さして極端に西洋臭い言文一致の文体を創めたのが忽ち人気を沸騰して、一躍文壇の大立者となったのは山田美妙斎であった。美妙斎はあたかも欧化熱の人工孵卵器で孵化された早産児であった。これより先き美妙斎は薩摩の美少年の古い物語を歌った新体詞を単行本として発表した。外山博士一流の「死地…