青空文庫

「「子猫ノハナシ」」の感想

「子猫ノハナシ」

「こねこノハナシ」

書き出し

明治の末頃、田辺和気子といふ有名なお茶の先生があつた。その田辺先生に私は二年ぐらゐお茶を教へていただいた。先生はお花も教へてをられ、金曜日には先生のあまり広くないお宅は花屋から持ちこむお花で、お座敷も椽側もいつぱいになつた。お流儀花の池の坊であつたが、ほんとうはお茶のついでに教へられたので、まづお嫁入り前のお稽古花のやうであつた。先生のお家は麹町の屋敷町の中に置き忘れられたやうな古いちひさい家で、

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