でんしちろう
書き出し
武承休は遼陽の人であった。交際が好きでともに交際をしている者は皆知名の士であった。ある夜、夢に人が来ていった。「おまえは交游天下に遍しというありさまだが、皆濫交だ。ただ一人患難を共にする人があるのに、かえって知らないのだ。」武はそこで訊いた。「それは何という人でしょうか。」その人はいった。「田七郎じゃないか。」武は夢が醒めて不思議に思い、朝になって友人に逢って、田七郎という者はないかと訊いてみた。…