青空文庫

「白い道」の感想

白い道

しろいみち

初出:「新潮」1948(昭和23)年1月

徳永47

書き出し

一——ほこりっぽい、だらだらな坂道がつきるへんに、すりへった木橋がある。木橋のむこうにかわきあがった白い道路がよこぎっていて、そのまたむこうに、赤煉瓦の塀と鉄の門があった。鉄の門の内側は広大な熊本煙草専売局工場の構内がみえ、時計台のある中央の建物へつづく砂利道は、まだつよい夏のひざしにくるめいていて、左右には赤煉瓦の建物がいくつとなく胸を反らしている。——いつものように三吉は、熊本城の石垣に沿うて

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