青空文庫

「チェーホフの短篇に就いて」の感想

チェーホフの短篇に就いて

チェーホフのたんぺんについて

初出:「新潮」1936(昭和11)年9月

神西20

書き出し

先日、カサリン・マンスフィールドの短篇集を読む機会があって大変たのしかった。崎山正毅氏の訳も立派だと思った。中でも『園遊会』などは三度くりかえして読んだが、やはり面白さに変りはなかった。これに反し、『幸福』など、繰りかえして読むのはどうかと思われるような作品もある。何かしら匂いが強すぎるのである。それは寧ろ緩やかな忘却作用のなかで愉しんでいたいような作品だった。がとにかく、この人がチェーホフの唯一

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