青空文庫

「春の郊外」の感想

春の郊外

はるのこうがい

大町桂月13

書き出し

桃花の散らぬ程にと、越ヶ谷さして、兩國橋より、東武線の鐵道に乘る。この線は、本所を過ぎ、龜戸より左折して、鐘ヶ淵、北千住、草加、越ヶ谷、粕壁、久喜、鷲の宮、羽生を經て、利根川に接する川俣にとゞまる。やがて川をわたり、館林を經て、足利に達する筈也。向島の櫻雲を、ちらと汽車の窓より、緑樹のひま/\に眺め、北千住を過ぎては、東北郊に特有なる菜の花を眺む。とぼし油の需要減ぜると共に、菜花の美觀も減じゆくは

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