青空文庫

「飢餓地帯を歩く」の感想

飢餓地帯を歩く

きがちたいをあるく

――東北農村惨状報告書――

――とうほくのうそんさんじょうほうこくしょ――

初出:「中央公論」1932(昭和7)年2月号

下村千秋39

書き出し

一また雪が降り出した。もう一尺五寸、手の指も足の指もちぎれそうだ。しかし俺は喰いものをあさりに、一人山へ登って行く。俺はいつも、男だ男だと思って、寒さを消しながら、夢中で山から山をあさって歩く。これは、青森県のある新聞に載せてあったもので、或る農村——八甲田山麓の村の一青年の詩である。詩としての良し悪しはここでは問題としない。只、この短かい詩句の中から、大飢饉に見舞われたこの地方の百姓達の、生きる

2022/05/07

阿波のケンさんさんの感想

絶望とはこのような生活をいうのだ。昭和初期の凶作と恐慌が重なったとき、岩手.秋田のすざましい極貧ぶりの生の声が描かれている。

2022/05/07

7790bebd7327さんの感想

昭和農業恐慌という実際に日本で起きた飢餓。著者下村千秋が実際に当時飢餓に苦しんでいた東北地方へ足を運び、各地の方々からお話を聞き集め、書かれた作品。その内容が現代の我々でも非常に読みやすく書かれています。当時に書かれてあるが故にその苦しみの声が生々しく感じられる、これは読むべき本だと思いました。

2019/06/03

8415d2c5f574さんの感想

父、祖父、曾祖父と片手で遡れる程の過去『昭和』初期の、東北の農家がどういう暮らしをしていたかが、現地を訪れ直接話をしたルポルタージュとしてまとめられています。 成績の為だけに大量に作られ、店頭に並ぶ事も無く大量に廃棄される恵方巻きのような馬鹿げた事をしている現代も、ほんの少し前まではこんな飢餓があり、何かのきっかけでまたこんな状況があるかもしれない、と考えさせられた。

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