はいくにおけるしょうちょうてきひょうげん
初出:「樹 八号」1914(大正3)年12月
書き出し
井泉水氏は印象詩乃至象徴詩としての俳句について屡々語られた。しかし俳句に於ける象徴の本質に就ては説かれない。筆端が時々此問題に触れたとも言うべき程である。私は此の根本的説明に接するを待つよりも、こういう問題はお互に協力して研究すべきものではないかと思う。病雁の夜寒に落ちて旅寝かな芭蕉僅かの花が散りければ梅は総身に芽ぐみぬ井泉水わが足跡人生ひてわれにつゞく朧地橙孫陽の前に鳥ないて安らかな一日鳳車これ…