とうせんさくしょかん
初出:「新青年 第七巻第七号」1926(大正15)年6月号
書き出し
「あやかしの皷」はじめの方は、私にはそうとう読みづらかったが三分の一くらいまでくるとだんだん面白くなって、ついひきずられて読んでしまった。なかなか手にいった書きかたで、作者の並々ならぬ手腕を偲ばせるところもあるが、私は、主として不満に感じた点だけをならべる。まず全体の筋が「あやかしの皷」につきまとう、因果ばなしめいた一連のお噺であるのが、私にはもの足りない。皷の「崇り」などは迷信だと極論するわけで…